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柴田 勝之; 鬼沢 邦雄; 田中 和久; 鈴木 雅秀
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 9 Pages, 2006/07
原子炉容器の健全性評価に適用される加圧熱衝撃等の熱流体トランジェントの下では、容器壁の母材が弾性範囲に留まる一方、内面冷却によりクラッドには降伏を超える高い熱応力が発生することがある。容器の健全性評価は、線形破壊力学に基づき、応力拡大係数(K値)を用いて行われるが、この荷重条件でのK値は有限要素法による解以外には得られていない。本研究では、クラッドの塑性崩壊条件に基づくK値簡易推定法を提案した。この推定法から得られたアンダークラッドき裂と表面き裂のK値について、既存の解と比較した結果良い一致が見られた。
川崎 信史; 小林 澄男; 長谷部 慎一; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/07
これまで、サーマルストライピング現象による破損を防止するために、サーマルストライピング評価法が検討されてきた。周波数応答関数を用いることで、流体温度履歴から構造物の温度と応力の応答を計算することができるため、周波数応答関数を用いた手法は、優れた評価手法であると考えられている。流体から構造物への温度応答を計測し、応答の周波数特性を確認するために、温度計測試験が実施された。温度計測試験においては、0.05, 0.2, 0.5Hzという3種類の異なる周期の正弦波状の流体温度履歴が周波数制御流体温度変動熱疲労試験装置(SPECTRA)を用いて与えられ、構造物内表面及び外表面の温度応答が試験体軸方向に沿って計測された。その結果、流体から構造物への温度伝達(減衰)プロセスにおける周波数効果が試験により計測・確認されるとともに、周波数応答関数評価法において採用されている有効熱伝達関数(周波数応答関数)の妥当性が示された。
鬼沢 邦雄; 柴田 勝之; 小坂部 和也; 田中 和久
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/07
原子炉構造機器の健全性評価にあたって、各種評価パラメータの不確かさを考慮でき、合理的な評価が可能となる確率論的破壊力学解析が最近注目されている。日本原子力研究開発機構では、加圧熱衝撃時における原子炉(圧力))容器を対象として、確率論的破壊力学解析コードPASCALの開発を進めている。当該事業において改良を進めているPASCALについて、モンテカルロ法、非破壊検査効果の評価法、入出力に関するGUI等についての改良を行い、PASCAL version 2とするとともに、代表的なPTS時におけるケーススタディを実施した。き裂存在確率分布に関して、従来のマーシャル分布と米国の新しいPNNL提案の分布を比較し、表面き裂と内部欠陥にそれぞれ対応する両者の結果が、ほぼ同じオーダーの破損確率になることを示した。化学成分の効果について、国内の1970年代の原子炉に対応する2通りの値を用いた場合の破損確率を評価し、異なるトランジェントに対しても高照射量領域ではほぼ等しい差になることを示した。また、非破壊検査の効果に関して、供用前検査と供用中検査の組合せや、供用中検査の回数について感度解析を行い、その効果を定量的に示すことができた。
祐川 正之*; 磯部 展宏*; 柴本 宏; 田中 良彦*; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 5 Pages, 2006/00
非クリープ設計域の拡張による許容応力の拡大及び設計手順の簡素化のため、NC(Negligible Creep)カーブを用いたクリープ設計域の合理的な設定法について検討した。この結果、国産の材料データに基づき、6種類の高速炉用の鋼種について、応力レベル1.5Sm時のNCカーブを設定した。従来の高温構造設計基準では、一定の温度上限値を用いて、非クリープ域を保守的に制限していた。実用高速炉で使用予定の316FR鋼,12Cr-Mo鋼は特に優れた材料特性を有しており、NCカーブを用い非クリープ設計域の拡大を図る効果が大きい。本クリープ設計域の合理的な設定法はFDS暫定案に採用された。NCカーブを用いることにより通常時、比較的低温で用いられる機器の低温設計が可能となる。
渡辺 大剛*; 中馬 康晴*; 大谷 知未*; 柴本 宏; 井上 和彦*; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 7 Pages, 2006/00
繰返し熱荷重を受ける高速炉の高温機器において、熱ラチェットによる破損防止は重要課題である。ラチェット挙動を明らかにするため、構造モデル試験が計画された。熱ラチェット現象を理解するうえでひずみ測定は重要であるが、高温下では従来のひずみゲージによる測定は困難である。このため、2つのレーザービームを用いたレーザースペックル法が構造物モデルのひずみを測定するために開発された。このシステムは原子炉の実際の運転状態を模擬した熱ラチェット試験に適用された。単軸試験結果との比較を通じ、レーザースペックル法が確証された。構造物モデル試験の測定データは、高速炉機器のひずみ予測法を記載している非弾性設計解析に関するガイドラインを検証するために用いられた。
笠原 直人; 古橋 一郎*
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/00
高温構造物は塑性やクリープなどの非弾性挙動を生じやすいことから、その設計には適切な非弾性挙動の予測が必要である。非弾性挙動は一般に形状の他に材料特性や荷重の大きさにも依存するが、著者らはそれらにあまり依存しない一本の応力再配分軌跡(Stress Redistribution Locus: SRL)が存在することを明らかにした。この性質を利用すると精度の良い非弾性挙動の簡易評価が可能となる。本研究では上記性質を裏付けるため、SRL曲線の決定機構を明らかにする。